私の部屋は、まさにゴミ屋敷という言葉がぴったりでした。仕事のストレスから何も手につかなくなり、いつの間にか床が見えないほど物で溢れかえってしまっていたのです。友人から「どうにかしないと」と心配され、自分でもどうにかしたいという気持ちはありましたが、その途方もない量にどこから手をつければ良いのか見当もつきませんでした。しかし、私は「一人で片付ける」という決意をしました。まずは、インターネットで「ゴミ屋敷 片付け 一人」と検索し、情報収集から始めました。多くの記事が「準備が大切」と説いていることを知り、必要なゴミ袋や軍手、マスク、掃除道具を買い揃えるところから着手しました。そして、最も簡単な場所、玄関から手をつけ始めたのです。玄関に散乱していたチラシや空き容器をゴミ袋に詰め込むと、わずかですが床が見えるようになり、達成感が生まれました。次に、部屋をいくつかのエリアに区切り、まずは「明らかにゴミ」と思えるものから捨てていきました。これは、物を捨てるか迷う時間を減らし、作業を効率的に進めるための重要なコツでした。作業を進めるうちに、かつて大切にしていたはずの物たちが、ただのゴミの山の一部になっていることに心が痛みました。しかし、「いる」「いらない」「保留」の基準を設け、迷う物は一時的に「保留箱」に入れることで、作業の手を止めずに進めることができました。害虫対策として、片付け前日に殺虫剤を噴霧したことも功を奏し、不快な思いをせずに済みました。数日間にわたる地道な作業の末、部屋の大部分からゴミが消え去り、掃除機をかけるスペースができたとき、私は達成感と同時に、心に長らく積もっていた重荷が取り除かれたような清々しさを感じました。この経験を通じて、私は物に対する考え方、そして自分自身の生活習慣を見つめ直すことができたのです。きれいになった部屋で飲むコーヒーは、以前とは比べ物にならないほど美味しく感じられました。
一人で乗り越えたゴミ屋敷脱出物語